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ファッション業界のECはどう進化する?ECアワードの殿堂入りを果たした今、改めて今後を考える。

ファッションビジネス業界の情報を広く発信する繊研新聞(せんけんしんぶん)。新聞媒体としての報道をはじめ、セミナーの開催やアワードの主催などファッションビジネスを盛り上げるさまざまな活動に取り組まれています。

2018年よりスタートしたファッションECアワードも、そのひとつ。
第9回となる2026年は、公式WEBストア「and ST(アンドエスティ)」がエクセレント賞に選ばれると同時に、6回目の受賞による殿堂入りを果たしました。これを記念して、(株)アンドエスティ・デジタルコマース事業部長の稗田亮(ひえだりょう)さんと繊研新聞社の中村維さんの対談を開催。これまでの軌跡や、これからのファッションECに求められるものなどを語ります。


6回目の受賞と殿堂入りを果たして、改めて思うこと。



中村:この度はファッションECアワードの受賞おめでとうございます!「and ST」は、長年にわたりファッションビジネス業界のDX推進に貢献してきたECプラットフォーム。6回目の受賞を迎えた今回、殿堂入りとさせていただきました

稗田:この度は栄えある賞をいただき、ありがとうございます!「and ST」は2014年に自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」として生まれ、さまざまなコンテンツを強化しながら、現在は会員数2,200万人を超えるECプラットフォームへと成長しました。これもすべて、「and ST」を利用してくださっているユーザーさま、出店企業さま、一緒に盛り上げてくれるスタッフのおかげです。関わってくださるすべての人に感謝の気持ちを伝えたいです!


中村:ファッションECアワードは企業の推薦によって受賞が決まります。そこで私、2021年度から現在に至るまで、「and ST」が企業からどう評価されてきたのかを振り返ってみたんです。

稗田:6年分すべて振り返ってくれたんですか!?


中村:そうなんです。2021、2022年度はスタッフの方がアイテムを実際に着用して紹介するSTAFF BOARD(スタッフボード)や、ECとリアル店舗の境界をなくすOMO店舗としての機能を評価する声が目立ちました。今や業界の標準装備となっている機能を、先駆けて取り入れていた点が注目を集めたようです。近年では、自社以外の企業も出店できるオープン化への進化が推薦ポイントになっていますね。多様なブランドをひとつのECに取り込みながらも、使いやすい、見やすいを意識しながら、サービスとユーザーの接点であるUI(ユーザーインターフェース)や、サービスを通じて得られる体験全体のUX(ユーザーエクスペリエンス)を高く評価する声も多数ありました。

稗田:嬉しいです。僕たちはブランドが積み上げてくれたものによって成長してきた企業です。グローバルワークのような20〜40代の男女をメインターゲットにしたブランドがあれば、レピピアルマリオのようなティーンズ向けのブランドもある。さまざまなジャンルのブランドがあることが僕たちの個性だと考えています。その個性がひとつに集まる「and ST」という場所があるのは、企業としても大きな価値だと感じます。僕が今の立場に就いたのは2021年からですが、この仕組みを築いてくれた前任の方々にも感謝を伝えたいです。

ファッション企業の、さらに先へ。


稗田:福田前会長がよく話していた、「昔はファッション企業だったね、と言われたい」という言葉。僕たちはそこを目指して、ホールディングスグループとしてさまざまなチェンジを繰り返してきました「and ST」は、他社ブランドも出店できる「オープン化」をスタートして以降、美容アイテムや食品など、自社にはないアイテムも豊富に取り扱うようになりました。この過程で出てきたキーワードが「共創」。自分たちだけが成長するのではなく、他の企業と一緒に共創し、成長していこうというコンセプトを現在も大切にしています。

中村:「and ST」は販売商品が非常にバラエティ豊かですもんね。

稗田:いろんな企業が出店したくなるECモールを目指して、まだまだ進化するつもりです。また、「and ST」はECでありながらも「ヒト」が大きな存在感を持っているのも強み。スタッフボードの参加者は現在4,800人ほどいますし、ECでのスタッフ経由の売上げが30%を超えるなど、スタッフの活躍がECでも目立ちます。さらに、全国にリアル店舗があることもECを成長させる上で大きなポイントになっていると感じます。こうした価値を活かして、今後もお客さまには「利用してみたい」、企業の方には「出店してみたい」と思っていただけるECであり続けたいです。

「これまで」を大切にしながらも、進化を止めない。


中村:コロナ禍をきっかけにECでお買い物をする人がかなり増えました。若い人はもちろん、中高年の方も当たり前に使っています。もはやECは、ものを売るためのチャンネルのひとつではなく、店舗やSNSを含めて行き来するハブのような役割になったと感じます。

稗田:おっしゃる通りです。以前は「ECって何?」という方も多かったですが、今やECは使うのが当たり前の時代。昔と違い、大半の方が「通販サイトを利用したことがある」と答えるかと思います。「and ST」のユーザーも10〜60代と幅広い層の方がいらっしゃり、スマートフォンの普及やコロナ禍の影響は、ECの成長を加速させたと考えています。


中村:最近はものを買うときにAIに質問する人も増えていますが、企業がAIをサービスにどう取り入れるのかも気になります。

稗田:資料づくりやバックオフィス業務への活用はもちろん、ECに掲載するビジュアルの一部もAIでつくり始めています。あまりに精度が高く、リアルで撮影した写真100枚の中にAIで生成した画像を紛れ込ませたら、僕ですら見分けがつかないぐらいです。

中村:繊研新聞の業界調査でも、既に8割ほどの企業がAIを活用しているとわかりました。ただ、その活用方法は多様で、まだまだみなさん模索している状態だと感じます。


稗田:そうですね。とにかく進化が早い。あまりに早くて、僕もこの先どうなるか一筋縄では見通せない局面です。ただ、株式会社アンドエスティのCEOである櫻井はテック業界出身で、システムに関する理解がとても深いんです。経営陣たちもAIに限らず新しい情報をどんどんキャッチしていくので、その組織下で働く僕たちも自ずと最新情報を取り入れるのが当たり前になっています。いい意味で、新しい技術をすぐに試す風土がありますね。ただ、AIを活用しすぎるとサービスが無機質になってしまう懸念も…「and ST」はスタッフやリアル店舗の存在も大切な価値と考えているので、リアルな面も大切にしながら、AIをうまく利用していきたいです。

「買い場」から「遊び場」へ。


中村:稗田さんはファッションECアワードの記念講演で「「and ST」はモールという買い場から、エンタメやメディアといった遊び場を目指していく」と話していましたが、今後はどのように進化していくのでしょうか?


稗田:まだ構想段階なので詳しくは言えないですが、コミュニティやエンタメの切り口で事業展開をしていくつもりです。そこで会話が生まれたり、人との出会いがあったり、つながる仕組みがあったりすれば、もっと面白くなるはず。ECを軸に実現できれば業界にも大きな影響を与えられると考えています。

中村:私も公私ともにSNSの投稿などをよく見ているので、「and ST」のメディアとしての進化にも期待しています!

稗田:これも福田の言葉ですが、「仕事は楽しんでなんぼ」。事業として成功させるのは当然ですが、その過程を自分たちが楽しんでいないと、サービスを利用するユーザーの方にもその気持ちが伝わってしまう。お客さまへ新しい価値を提供できることに僕自身常にワクワクを感じながら、さらなる進化を遂げたいです。


中村:繊研新聞では、いつもアンドエスティHDグループのみなさまにお話をうかがっています。その中でも、「and ST」の進化は業界でも目を見張るものがありますね。さらに進化すれば、消費者のみなさまが楽しめるだけでなく、業界もさらに発展していくはず。応援しています!

稗田:ありがとうございます!頑張ります!

■ファッションECアワードとは
ファッション業界の専門紙である繊研新聞社が主催する表彰制度。ファッション企業やITサポート企業など約100社からの回答を元に選出し、サイトの構築・運用で優秀・注目される直営ECと、集客や効率運営などを支援する企業を表彰しています。公式ファッション通販の「and ST」は2026年の「第9回ファッションECアワード」にて6年連続受賞で殿堂入りを達成。先進性があり、総合的に優秀と判断したECサイトとしてエクセレント賞に選出されました。

繊研新聞社:https://senken.co.jp/



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