接客業で働く人の多くは「もっと接客がうまくなりたい!」と日々奮闘しています。そんなときに役立つのが、接客ロールプレイング練習(以下、ロープレ)。アダストリアでは従業員を対象にしたロープレ選考会「SSC(サービス・スキル・サーティフィケーション)」を毎年開催し、接客スキル向上を支援しています。
SSC以外にも、イオンやルミネなどの商業施設が主催するロープレ大会は多数あります。でも「興味はあるけどハードルが高い…」などと迷っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は「2024 SSC」のベストオブプラチナに輝いたレイジブルーの島﨑稜介(イオンレイクタウン店舗 店長)さんと、ルミネが主催する「ルミネスト2024」でゴールドに認定されたタビオ株式会社の加藤由美さん(靴下屋ルミネ荻窪店 店長)が対談!過去に何度もロープレ大会に出場してきた二人が、そこから得た成長や変化について語ります。
「靴下屋」と「レイジブルー」。
二人が接客で大切にしていること。
島﨑:初めまして!レイジブルーイオンレイクタウンで店長を務める島﨑です。入社してからずっとレイジブルー一筋!社歴は10年以上になります。
加藤:今日はよろしくお願いします。靴下屋ルミネ荻窪店の店長、加藤です。ルミネストのゴールドに認定されてからは、社内のクルー向けにロールプレイング講習やその他講義で講師を務めるなど、人材育成業務も兼任しています。靴下屋の勤務歴は20年以上。ユーザー歴は30年以上になります。
島﨑:靴下屋、僕も長年お世話になっています。「靴下を買いたい」となったらまず向かう場所ですね。
加藤:ありがとうございます。お店によって多少違いますが、若い方だと中学生ぐらい、年齢が上の方だと90代の方もいらっしゃいますよ。
島﨑:ちなみに、加藤さんはレイジブルーをご存じですか?
加藤:もちろん!うん十年前、旦那にレイジブルーのコートを買ってあげましたが、なんと今も愛用していますよ。長持ちすぎて驚きです。
島﨑:嬉しい!丁寧に、大切に着てくださっているんですね。
加藤:当時はメンズ展開のみでしたが、最近はレディースも販売されているんですね。
島﨑:そうなんです!20代の男女をターゲットにしたトレンドアイテムを豊富に取り扱っています。レイジブルーは「お客さまへファッションの楽しさを届けるためにも、積極的に接客をやっていこう!」という雰囲気のブランド。でも「店員と話しながらアイテムを選ぶより、一人でゆっくり見たい」という方もいますよね。接客ではその差に悩むこともあります。反対に、靴下屋さんはお買い物をお客さまに委ねている印象があって。日々の接客で意識していることがあれば、ぜひ教えてください!
加藤:私はお客さまの行動や視線、ふとした瞬間の表情などをじっくり観察するようにしています。「今日は一人でお買い物をしたい気分かな」「この人はスタッフを必要としていそうだ」など、感情の動きを見る感じです。
島﨑:感情の動きを見る…かっこいい。
加藤:靴下屋はファッションニーズを持ってご来店される方もいますが、「冬場は毎日冷えに悩まされる」「最近、むくみが気になるようになって」など、健康面の悩みを抱えていらっしゃるお客さまも多いです。あとは「スタイルを良く見せたい」などですかね。お一人おひとりの想いを見極め、対応を考えています。
島﨑:レイジブルーのお客さまは、ニーズがかなり抽象的です。「今っぽいオシャレがしたい」という想いはあるけど、具体的にどんな商品が欲しいかはまだご本人も分かっていない…そういうお客さまに対して、どんな商品をご提案するのがベストかを考えて接客するようにしています。オシャレの感覚は人によって違うので「この人のイメージする“今っぽいオシャレ”とは何だろう」を探っていく感じですね。接客+付加価値を届けたいと常に考えています。
ブランドを盛り上げるため、
自分を高ぶらせるため…
ロープレ大会出場のきっかけ。
島﨑:SSCはアダストリアが主催する接客スキル認定制度。全ブランドの店舗スタッフが参加可能で、販売力チェックシートを用いた書類審査から始まり、動画審査を経て、支店選考会と続いてそこからさらに優れたスタッフへ贈られるのがベストオブプラチナ。2024年は僕が獲得させていただきました!このバッジがその証です!
加藤:すごい!(拍手)おめでとうございます!
島﨑:いやいや、加藤さんのゴールド認定も素晴らしいです!なんせ、僕が人生で最初に出場したロープレ大会がルミネストでしたからね。当時は予選で惨敗でしたが…。
加藤:そうだったんですね!?じゃあもう説明の必要はないかもですが、念のため。ルミネストは株式会社ルミネが主催するロープレ大会。接客技術や人柄、仕事へ取り組む姿勢など、あらゆる項目で審査が行われます。私がゴールドに認定されたのは4回目の挑戦。ずっとシルバー認定どまりでしたが、ようやくお客さまのニーズを汲み取った提案ができるようになったのかなと。
島﨑:素敵です。実は僕、昔はロープレ大会に対して「どうせ演技じゃん」とひねくれた見方をしていたんです。でも、あるお客さまと出会って考えが変わって。
加藤:ふむふむ。
島﨑:その方のニーズをなかなか汲み取れず、引き出すのにとても時間がかかってしまいました。加えて、目上の方に対する言葉遣いや所作にも力不足を感じて。「もっとロープレで正しい接客技術を身につけておけば」と後悔したんです。そこからいろんなロープレ大会へ出場するようになりました。イオンや日本ショッピングセンターが主催している大会では、入賞もさせていただきました。
加藤:え!?私も同じ大会に出たことあります!
島﨑:本当ですか!?すごい偶然!でも、2024年にSSCに出場したのはまた別の目的があったんですよ。当時はブランド本部から「もっと接客を頑張ろう!」と発信があったタイミング。スタッフを盛り上げるために何かできないかと考え、「SSCでベストオブプラチナになります!」と宣言しました。
加藤:実現できているのが流石です。
島﨑:プレッシャーは凄まじかったですけどね。加藤さんはありますか?出場のきっかけ。
加藤:私、昔からお買い物と言えばルミネ!だったんです。入社してからもずっと、上司に「ルミネに出店している靴下屋で働きたい」と熱く語っていました。念願叶ってルミネ大船店の配属になったタイミングで「ルミネストに出ます!」と。最初はミーハー心からでした。
学びをみんなに伝えたい。
成長するほど、
貢献の想いが芽ばえてくる。
島﨑:そこからどうやって、現在の人材育成につながっていったんですか?
加藤:ロープレ大会って、本番前にいろいろ研修を受けるじゃないですか。研修で接客技術を学ぶうちに「自分が教わったことを靴下屋のみんなにも伝えたい。会社に貢献したい」と考えるようになったんです。私は現場の人間としては最年長組。若い人たちがトレンド的な要素で活躍してくれている分、自分は何を頑張れるかと考えた答えが「育成」だったんです。
島﨑:わかります。僕も最初にロープレ大会に出た目的は、自分の成長でした。でも今は「自分の活動がブランドやスタッフの刺激になれば嬉しい」という気持ちが強いですね。僕自身、過去にロープレ大会で優勝した先輩の勇姿を見て感動した経験があるので「今度は僕が!」という感じでしょうか。
加藤:ロープレ大会は、本番までの過程でも気づきを得られるもの。何度も練習していると自分の接客のクセがわかり、改善していくじゃないですか。入賞する・しないよりも、自分の接客と向き合う時間を持てることが価値なんですよね。自分の持ち味を活かした接客スタイルだけじゃなくて、技術として正しく接客を学ぶ。ロープレはお客さま満足度を上げる手法を増やす、絶好の機会だと思います。
島﨑:まさにそうですね。あと大会前って、同じ商業施設で働く別ブランドの方とも特訓しがちじゃないですか。あの経験も貴重ですよね。SSCは社内限定の大会ではありますが、アダストリアはブランドのジャンルがとにかく豊富。レディースのみを扱うブランド、家具や食器などライフスタイルを提供するブランド…お客さまとのコミュニケーションもそれぞれ異なるため、学べることが無限にあります。
加藤:ヤバイ…私ロープレ大会の話題であと10時間ぐらい話せそう!
島﨑:一旦、話題を変えますか!(笑)
すべてはお客さまのため。
そのゴールに向かって、
成長と挑戦を続けたい。
島﨑:最近は「キャリカク」という、アダストリアのキャリア拡大制度にも参加しています。僕が担当するのは新人スタッフさんへ最初に行う研修の講師、ロープレ講習会の講師などですね。
加藤:めっちゃいいじゃないですか!
島﨑:あとは、海外の方との接客をもっと学びたいと思っていて。今度、会社の海外研修制度を利用して台湾のレイジブルーへ研修に行くんですよ。
加藤:そんないい制度があるんですね!?私もゴールドになって以降、仕事面でいろんな変化がありました。「靴下屋×レイジブルー」で対談している今この瞬間もそのひとつ。光栄な場に呼んでいただいて…私自身まだまだいろんなロープレ大会に出場したいと思う一方、今後はこうやってブランドや企業の垣根を越えて「お客さまのため」や「クルーの成長のため」に活動していきたいと考えています。
島﨑:すごいなあ。
加藤:いやいや、海外研修も素晴らしいですよ。
島﨑:ありがとうございます。ところで、僕たち二人とも店長職じゃないですか。僕はエリアマネジャーへのキャリアアップを目指していますが、加藤さんはキャリアの目標はありますか?
加藤:キャリアを重ねて本部職を目指す人もいますが、私はずっと店舗に立っていたいタイプです。どのポジションで働こうと、仕事の先にいるのはお客さま。人材教育を担当するにしても、自分が「今のお客さま」の情報を持っていないと、どんな教育が必要かもわからなくなると思うんです。クルーの育成をしっかりやりたいからこそ、これからも現場に立ち続けたいですね。
島﨑:すべてはお客さまのために。素敵な考え方です。
加藤:靴下屋とレイジブルー、サービスのかたちは違いますが、こうやって話すといろいろ共通点がありますね。タビオとアダストリアで育成方法や研修内容を伝え合う機会をつくれば、すごくいい相乗効果が起きそう。
島﨑:いいですね!どんどんやっていきましょう!
ロケ地:靴下屋ルミネ新宿店、アダストリア本部(渋谷ヒカリエ)
■靴下屋について
タビオ株式会社が運営するブランド「靴下屋」。
カジュアルで履き心地のいいレディース靴下を展開する、タビオのスタンダードブランドで「無意識のうちに“今日も、履きたい」と思うそんな履き心地のいい靴下を提案しています。靴下、タイツ、ストッキングなどのレッグウェアを主に取り扱い、全国に184店舗を展開中。
公式オンラインストア:https://tabio.com/jp/
Instagram:https://www.instagram.com/kutsushitaya_official/
X:https://x.com/Tabio_JP/
■RAGEBLUEについて
アメリカンカジュアルとヨーロピアンテイストを融合させ、素材とディテールにこだわり、その時々のトレンド要素を取り入れたデイリースタンダードスタイルを提案しているカジュアルブランドです。全国に33 店舗(2025/10 月末)を展開し、20 代の男女をターゲットにしています。
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<公式Instagram> https://www.instagram.com/rageblue_official/
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